冒険日:2018/9/6 天候:晴れ
はじめに
今回は千葉県君津市黄和田畑にかつて存在していた湯ヶ滝集落の調査に出かけた。
詳しいことはわからないが、最盛期では6件の建屋が存在していたようだが、残念ながら昭和30年代には放棄されてしまったようだ。
割と近年に修行僧が使用していたなどの情報もあるが、定かではない。
札郷(ふだごう)トンネル南側を出たすぐの脇道に小櫃川(おびつがわ)へと降りる階段があり、川を渡航した山道が集落の入り口だ。
それでは早速、写真と共に行程を記していこう。
記録写真
集落へと続く道
札郷(ふだごう)トンネル南側坑口。
こちらの脇道から小櫃川へ降りることが出来る。
小櫃川へと下る階段。
本来であれば階段を下りて対岸へと渡れば、すぐに集落入り口の旧道に取り付けるのだが、この日は普通のトレッキングシューズで来てしまったため、そのまま渡航するには靴に水の侵入を許してしまう。
よって、少し西に移動しながら渓谷散策を楽しみ、渡航可能な浅瀬を探す。
集落入り口の山道へは、この斜面を登る。
少々大げさにレポートしている方がいらっしゃるが、山道は適度に踏みならされており、非常に歩きやすい。ただし、途中足を滑らせたら谷に滑落する場所も存在するので、該当箇所を通過するときは十分に注意が必要だ。
運搬具だろうか。この手に機械にはめっぽう弱いのでさっぱりわからない。と書いてはみたものの型番がわかっているので調べてみた。
筑水農機 実クローラー 運搬車 GC-501というものらしい。
倒木等はあるものの、非常に歩きやすい道が続く。
更に進むと分岐が現れた。谷の方へ下っていく道と、そのまま平坦な道だ。下って行って間違えると登るのが面倒なので、とりあえずまっすぐ進んでみよう。(※後述するが下っていく道は畑か水田跡へと続いている)
分岐をまっすぐ進むと、栗がたくさん落ちていた。しかしどれも小ぶりである。ここで足を滑らせたら痛いだろうな、などとくだらないことを考えつつ先を急ぐ。
何かの容器、瓶などが散乱している。
と、その時・・・!
突然木々の向こうに、建屋が姿を現した!遂に湯ヶ滝集落に到達したようだ!
はやる気持ちを抑え、まずは周辺を探索する。
スサハラとメーカー?の記載がある。
冷蔵庫が気になったので開けてみた。ドラクエ風に言うと、 しかし なにも おこらなかった!である。何か起こったら困るがw
三菱電機「MH-115B」のようだが、一体何年くらい前に市場に出回っていたのだろうか。
集落(外部探査)
遂に現存する唯一の建屋まで到着した。山道は何一つ怖いことはないが、やはり廃屋というのはものすごい存在感を放っている。写真では明るく見えるが、実際には薄暗くてお化けでも出そうで気味が悪い。
私は幽霊を全く信じていないのだが、大の幽霊嫌いという全くわけのわからない性質を持っている。信じてないのに何で怖いのかと問われると難しいが、怖いものは怖いのだ。
とりあえず外観から探索してみよう。
この容器には布団のようなものが入っていた。
崩壊具合のひどい裏手。
ポンプ?だろうか。
私の実家にもまだある昭和おなじみの照明器具。
ホンダのバイクが埋もれていた。当時はバイクであの山道を行き来できたのだろうか。
自転車も打ち捨てられていた。どういった用途でこの山中で自転車を利用していたのだろう。
正体不明の物体。
空撮で見る屋根の様子
かなり手狭な隙間からの離陸敢行
着陸の様子。かなり緊張した。
集落(内部探査)
玄関では火鉢と将棋盤が出迎えてくれた。
磨けばまだまだ使えそうだ。
このストーブはこういう風に使うのか。以前購入して庭に放置したら半年でこれよりひどい状態になったw
在りし日は、このラジオを聴きながら作業をしたり、家族で食事をしていたのだろう。その隣には4時49分42秒あたりで時を止めた時計が鎮座している。
建屋裏手に風呂場があったようだ。崩壊具合が激しいのでこの辺りは詳しく見ることが出来なかった。
欄間。
このような廊下がたまらなく怖い。
上記廊下を左折したところ。床が崩壊していて先に進めない。
玄関を入ってすぐ左の部屋。(ストーブの奥)
とにかく崩壊具合が激しい。
内部は怖いので素早く探査し、逃げるように表へ出た。廃墟や洞窟探査にはやはりパーティを組んで臨むのが望ましい。暗い所やゲジゲジや幽霊が怖くない人がうらやましい限りである。
探査が一通り終わったので、庭で昼食をとっていると、いつの間にやら腰、首すじ、デジカメにヒルが吸い付いている!ヤマビルファイターでも防ぎきれなかったようだ。
デジカメに必死に吸い付いているヒルはなんだか憎めない感じであるw
集落を後にするとき、小さい渡し橋のような残骸を見つけた。
分かれ道の先
先ほどの分かれ道の先を見てみよう。
分かれ道を2~3分進むと平らな場所に出る。おそらくここは畑か水田だったのではないだろうか。
川の方に降りられそうな気もするが、子供の保育園の迎え時間が迫ってきたので湯ヶ滝集落の探査はこれにて打ち切りとする。
おわりに
なんといっても湯ヶ滝集落はアクセスのしやすさが魅力的だ。道さえ分かっていれば往復1時間もあれば踏破可能だ。集落入り口の小櫃川の清流を白鷺が往く光景はとても美しい。加えてゆっくりと自然に飲み込まれていく家屋も怖いながらも素晴らしい。房総の山と渓谷を楽しみつつ、ヤマビルと戯れながら一度訪れてみるのも良いかもしれない。
すぐ近くにある廃村”追原集落”のレポートも併せてお楽しみ頂きたい。
おまけ(小櫃川を軽くフライト)
小櫃川を軽くフライトする