【廃道】おせんころがし(千葉県勝浦市~鴨川市)

冒険日: 2019/5/16
天候: 晴れ
総歩行距離: 1071m
所要時間: 49分(ドローン飛行時間含む)

はじめに

現在では国道128号線が開通しており交通は非常に容易だが、かつて千葉県勝浦市の最西端から鴨川市 最東端 (旧小湊町)に抜けるおせんころがしは交通の難所であった。訪れてみるとわかるが太平洋に面したわずかな幅の断崖を進むとても恐ろしい場所だ。

戦後まもなく惨い殺人事件があり、その名前の響きから心霊スポットの汚名を着せられているが、大海原を横目に進める街道はまさに絶景の道である。

今回の冒険では、現在通過が困難になった大正9年まで利用されていた廃道を紹介しよう。

推奨装備

長袖・長ズボン・帽子・トレッキングシューズ・レスキューグローブ・バックパック

記録写真

旧国道128号線を鴨川方面から勝浦に向かい、おせんころがしの名前の由来となった、勝浦西端のお仙の碑を目指す。お仙の碑から鴨川方面に向かうことも可能だが、初めてこの廃道を通る方は鴨川方面からのアクセスを強く推奨する。なぜなら、勝浦方面から抜けようとすると、藪が道全体を塞いでおり、地面が良く見えない挙句、一歩間違えれば20m崖下に滑落してしまうからだ。
写真左の道を行くと旧国道128号線へとつづき現国道128号線へ合流する。
はじめは道を下っていく。右手には小さな漁港があり、海の景色が素晴らしい。
写真上部の赤いラインは、現国道128号線の大沢橋だ。
おおさわみなとずいどうの上を国道128号線が通る。なんだかものすごい光景である。ちなみにこちらのおおさわみなとずいどうを進むと、先ほどの漁港に出るが、今回はそちらには用がないので、写真右の登り坂を往く。
道の脇にあった水路用隧道。
なだらかな坂道を登りながら現国道128号線大沢橋の下をくぐる。
まっすぐ行くと上地区、右方向に進むと廃道おせんころがしへと続く。
なんの石碑か不明だが、日蓮宗関連のもので間違いはない。子供のころはよくこの日蓮宗の石碑を見かけた気がするが、私の思い違いかもしれない。
道の奥には現国道128号線へと続く階段がある。
一見階段しかないように見受けられるが、良く見ると右手にかなり細い小径が存在する。ここが廃道おせんころがしへのエントリーだ。
廃道へ入ってすぐのところ。
滑落防止に崖側にはフェンスが張られている。フェンス越しの海が美しい。
地面にはフェンスを固定するワイヤーが。
草の径が唐突に終わり、コンクリート吹付の道が現れた。道幅は十分にあるものの、ここからは滑落防止フェンスもなくバランスを崩したら20m下へと真っ逆さまである。
写真では伝わりにくいが、結構な高さである。
後ろを振り返ると美しい海岸線が。
ところどころ落石した小石が地面に落ちているので、踏みつけて足を滑らせないよう、細心の注意を払って進む。
しばらく進むと、崩落した土砂が行く手を阻んだ。登山経験のある方ならお分かりになると思うが、このような小石の多いザレ場は非常に足を取られやすい。もちろん滑落防止フェンスも一切ないので、一度転げたらそのまま崖下に叩きつけられるだろう。更にこのザレ場の恐ろしいところは向こう側が下りになっているのである。とにかく危険な場所なのであまりお勧めできない。
ザレ場頂点から崖下を臨む。何一つ掴まるところがないので本当に恐ろしい。
無事ザレ場を越えると道がすべて藪に覆われており、地面と崖の区別がつかない。生い茂る草を慎重にかき分けながら地面を確認して進む。
先に、鴨川方面からエントリーを推奨する旨記載したが、お仙の碑からエントリーすると、すぐにこのような道を進まねばならずかなり危険なのだ。
少し広い場所に出て人心地着く。
俄かに藪径が終わり、向こう側にお仙の碑が姿を現した。
奥へと続く径を辿ると、現国道128号線に出る。
奥に現国道128号線が見える。右へ少し行くと行川アイランドへ到達する。
以上で、今回のレポートは終了とする。

おせんころがし周辺のドローン空撮

http://boukennosyo.wp.xdomain.jp/namegawa_island/

おわりに

おそらくこの道を通り転落したのはお仙だけではないだろう。
それほど険しく危険な街道である。


廃道部分は非常に危険個所もあり、お勧めは出来ないが、海沿いを走る旧国道は、とても綺麗な海景色を見ながらドライブが出来るので、ぜひ一度訪れてほしい。写真撮影にももってこいのスポットだ。