【天岩海道 Vol2】魚つき保安林~長浜海岸ひょうたん口(千葉県御宿町・千葉県いすみ市)

冒険日: 複数日

はじめに

当レポートは、前回の記事【天岩海道 Vol1】の続きである。【天岩海道 Vol1】を読んでいない方はそちらから閲覧いただければ幸いだ。

今回のレポートは2部構成とし、前半は小浦海岸から長浜海岸小浦口まで、後半は魚つき保安林から長浜海岸ひょうたん口までを記録する。このコースには名称がないため、便宜上私が勝手に「天岩海道」と命名する。岩山の上を歩いていくコースなので、このように命名した。

後半部となるこちらのレポートでは、魚つき保安林を抜け、廃道(おそらく)開発中に放棄された道を通り、いすみ市沢崎集落にあるひょうたん堰付近にあるエントリーポイントから、長浜海岸に降りていくコースを紹介する。

それでは早速、写真と共に行程を記していこう。

推奨装備

エントリー~小浦海岸まで・・・一般的な服

小浦海岸~長浜海岸小浦口・・・長袖・長ズボン・棒・帽子・トレッキングシューズ(夏)、一般的な服・棒(秋~春)

魚つき保安林~旧道~長浜海岸ひょうたん口・・・ワークマン長袖長ズボン装備・帽子・トレッキングシューズ・フェイスマスク・マウスガード・棒やナタ・バックパック・水・食料・ウェットティッシュ・軍手

長浜海獄覗き・・・ワークマン長袖長ズボン装備・ヘルメット・トレッキングシューズ・フェイスマスク・マウスガード・棒・バックパック・水・食料・ウェットティッシュ・タオル・レスキューグローブ・ロープ・等高線図・コンパス

記録写真

魚つき保安林~廃道~長浜海岸ひょうたん口

前回の記事の続きなので、スタート地点は赤い線が入った立札だ。

魚つき保安林を北に進んでいく。この辺りは藪や倒木はあまりないのでとても歩きやすい。

斜面を降りていると、突然ガードレールが姿を現した。ここまでは来たのは今回が初めてなので、こんなところに廃道が存在していたとは思いもよらなかった。

(※2018/9/18追記 この道は廃道ではなく、建設中に放棄された道だという情報を頂いた。開発は平成に入ったばかりから開始されたようだが、途中で計画が頓挫したらしい。当時はひょうたん堰より、途中まで車で侵入できたようだがごみの不法投棄が多く、後述する柵を設置したようだ。)

フジテレビ?の何かが落ちている。

ひょうたん堰方面へ向かう廃道。

ひょうたん堰とは逆方面に伸びる廃道。こちらはどこに続いているのかいずれ調査が必要だ。

ほとんどが堆積した土砂で埋まっているが、しっかりと側溝の後もある。

ここは歩きやすいぞと思っていた矢先、草木、蜘蛛の巣がこれでもかというくらいに行く手を阻む。

この花はとても痛い棘を有しているので注意が必要だ。押し通る形で無理やり進んだので体中に刺さりかなり痛い。こういう時には剪定鋏などがあると良いかも知れない。

廃道は今や野獣の住処と化していた。多数のキョン、イノシシの気配を感じる。

見た目がちょっと怖い樹木。無数の目がついているようにも見える。たらの木に似ているが同種だろうか。

明らかにチェンソーなどで切断された断面。切り口はさほど古くないように見受けられる。この廃道にも定期的に人が訪れているのだろうか。

年代物の投棄物が道治沿いに堆積している。

写真では見えないが、千葉県観光公社と表記してある。調べたところまだ現存する団体のようだ。

延々と続く草木の廃道を行くと、柵が現れた。どうやら、向こう側からの侵入を塞ぐためのものらしい。しかし御宿側から来てしまった以上、乗り越えねばなるまい。周辺をよく観察すると、向かって左側から迂回できそうな個所を見つけられた。

柵の先の様子。この写真の柵のこちら側左へ進むと、長浜海岸ひょうたん口へと続いている。手軽に長浜海岸へ行きたい場合は、小浦方面からではなく、ひょうたん堰からエントリーすると良いだろう。こちらの降下ポイントをこれまた勝手に長浜海岸ひょうたん口と命名する。

長浜海岸ひょうたん口へは写真のような細い道を歩いて行く。この道は人が良く通るので軽装でも大丈夫だろう。しかし、ロープ場や岩場があるので足装備だけはトレッキングシューズなどを装備することをお勧めする。

道脇を見ると、小さなせせらぎがあった。

この板橋が見えてくると、もうすぐ海岸へ到着だ。

小さな素掘りの隧道が見えてきた。

隧道内部は、写真の様になだらかなくだりになっている。内部は暗く、地面は平面でなく、凹凸が激しいので足をとられないように慎重に進もう。ここで一つ注意点を挙げたい。この隧道を調子に乗って走って向こう側に抜けようとすると、出てすぐに断崖絶壁となるので、絶対に走り抜けてはならない。

隧道内横穴。当時は漁具置き場だったのだろうか。今は廃棄物が押し込められている。

隧道を出ると砂浜が顔を出す。

ビーチに降りる最後のポイントでは、ロープが設置されているのでしっかりと掴みながら慎重に降りていこう。

どこか日本ではないような雰囲気を漂わせている。南側(小浦海岸方面)には大崩落の跡が見られる。長浜は人の気配がせず静寂そのものなので、退廃的な色づくりが良く合う。写真の話になってしまうが、曇天時にはこのような色づくりをすると面白いかもしれない。(当写真は作品として仕上げたものなので無断使用を禁じる)

北側(釣り師海岸方面) 。曇天なのが惜しいところだ。

海岸で小休止し、また来た道を登っていく。ひょうたん口からエントリーした場合は、小浦口へ南下し、小浦海岸からアウトするのも面白い。

先ほどの柵と看板のあった場所をひょうたん堰沿いに北へ向かう。

途中注意深く藪内を観察すると、このような祠を発見した。

道路沿いのひょうたん堰の様子。長浜海岸ひょうたん口へ入っていく小径だ。

道路を挟んだ対面には、関東ふれあいの道の立て札が立つ。いつかはぶっ続けで関東ふれあいの道も走破してみたいものだ。

以上で、今回のレポートは終了とする。

長浜海岸付近のドローン空撮

おわりに

千葉県御宿町は月の沙漠がとても有名で知られているが、実際に訪れた方々は”何もない”と拍子抜けしてしまうこともあるだろう。

しかし、商業施設などがあるのが本当に楽しいのだろうか?今一度自分自身に問うてみよう。わざわざ旅先に来て、自分の街でも体験できることをやる必要があるのだろうか。

“何もない”というのは裏を返せば”自然だけはある”ということだ。トレッキングや、ビーチコーミング、海水浴やサーフィン・SUP、サイクリング、ちょっとした冒険、ほら楽しみはそこかしこに転がっている。

最後に、これらの海岸は、私にとってとても大切な場所なので、ごみ等の放置は絶対にやめて欲しい。貴方が綺麗だと思った風景を、違う誰かが綺麗だと思うために、素晴らしい景観を一緒に守っていこう。

コメント

  1. […] 今回のレポートは2部構成とし、前半は小浦海岸から長浜海岸小浦口まで、後半は魚つき保安林から長浜海岸ひょうたん口までを記録する。このコースには名称がないため、便宜上私が勝手に「天岩海道」と命名する。岩の上を歩いていくコースなので、このように命名した。 […]